【漫画】スローループ 2話 感想 変わっていくひよりちゃん

漫画

第二話 また海にいこう

制服のひよりちゃんと小春ちゃんの初お披露目です.ネクタイをきっちり締めるひよりちゃんとリボンを付けてラフに着こなす小春ちゃんの服装にそれぞれの性格が出ててかわいいです.

画像の引用元:うちのまいこ, スローループ, 1巻(芳文社)

小春ちゃんの部屋に割り当てられたのはひよりちゃんのお父さん(信也さん)の部屋で,複雑な思いやとまどいを抱えるひよりちゃん.これだけ環境が変われば仕方のないことです.類似した想いは小春ちゃんにもあります.そういった心情が小春ちゃんの荷解きの手をためらわせているのでしょう.こういった細かい仕草にもキャラクターの心情が表れているのがスローループの魅力です.

画像の引用元:うちのまいこ, スローループ, 1巻(芳文社)

お互いの新しい親に対する想いも二人で同様になっており,新しいお父さん(一誠さん)に気を使わせてしまっている気まずい空気からひよりちゃんは外に出てしまいます.当然ながら行先は題名にもなっている海です.

画像の引用元:うちのまいこ, スローループ, 1巻(芳文社)

仕方のないことだとわかっているけれども,変わってほしくない,変化に抵抗のある気持ちは誰にでもある普遍的な心情でしょう.極めて当たり前の心情を海に一人ごちるひよりちゃんに小春ちゃんが釣りに誘うことで助け舟を出してくれます.

一見駄々をこねているように見える小春ちゃんですが,第一話での信頼からひよりちゃんに言っていい事柄のラインを感じ取り,多少プッシュしたほうがひよりちゃんとの関係構築がスムーズに進むと踏んでいるのでしょう.

画像の引用元:うちのまいこ, スローループ, 1巻(芳文社)

フォルスキャストの練習をする小春ちゃんに対して,もっと釣りを楽しんでほしいと思うひよりちゃんの心情の変化も見どころです.フライのようなキャスティング自体が難しい釣りではなく,初心者向けの釣り方を教えた方がよいのかもしれませんが,フライそのものがお父さんとの絆を象徴する釣り方であるため,フライへのこだわりを捨てることに抵抗がある描写がされます.

さらに,家に居づらいひよりちゃんを思いやって小春ちゃんが釣りに誘ったことに気づくひよりちゃんですが,こういった互いの心情を共有する間接的な描写が光ります.

帰りがけに二人は互いの義父母に対する気まずさを吐露します.このやりとりも,先ほどの釣りを通じた心情の共有が背景になければ,相手の実父母への気持ちを吐露するのは難しかったでしょう.

画像の引用元:うちのまいこ, スローループ, 1巻(芳文社)

小春ちゃんのいたずらっ子な笑顔がいいですね.お互いの心情を実際に確かめられたことに対するやったった感に溢れています.

小春ちゃんが漬け丼を作ってくれます.ひよりちゃんのお父さんが作ってくれた漬け丼を思い出しながら食べるひよりちゃんに,小春ちゃんのお父さんがご相伴にあずかります.以前と違う味わいである漬け丼ですが,これはこれでおいしいと感じるひよりちゃんのシーンは,変わることはあるけれど,それでも変わらないことがあるということを暗示しているのだと感じます.

画像の引用元:うちのまいこ, スローループ, 1巻(芳文社)

小春ちゃんのお父さんから小春ちゃんが外遊びを知らない子だと聞いたこと,ひよりちゃんよりも小春ちゃんの周囲の変化が大きいことに気づいたひよりちゃんが,フライにこだわらずに違う釣り方で海に行こうと小春ちゃんを誘ってくれます.過去へのこだわりが和らいだひよりちゃんにとって,小春ちゃんの部屋が信也お父さんの部屋であったことは小さな問題に過ぎず,これからのことを考える余裕が出てきたようです.

画像の引用元:うちのまいこ, スローループ, 1巻(芳文社)

小春ちゃんも信也さんの部屋を取ってしまったことや,釣りに無理やり気味で同行したことに引け目があったため,ひよりちゃんに誘ってもらえて安心した笑顔が素敵です.

一歩一歩着実に歩み寄っていくひよりちゃんと小春ちゃんの関係が素晴らしいですね.ひよりちゃんが小春ちゃんの気持ちに寄り添うためにアクションを起こしていく,そんな話でした.

本ページの画像の引用元:うちのまいこ, スローループ, 1巻(芳文社)

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