第5話 ありがとう
幼少時の小春ちゃんが初登場です.本人が言うように天使のような可愛さですよね.身体が弱かったという話からも,今よりは内向的な女の子だったのでしょう.かなりガーリッシュな格好をしていますが,お母さんの趣味ですかね.
アイキャッチの画像にありますうさぎの王子様という絵本は,後でも出てきますが,この世界では人気のある絵本なのでしょう.そのうさぎさんを大事に抱きかかえています.
お互いの昔の写真を見せ合っているひよりちゃんと小春ちゃんですが,すでに相当仲良しじゃないとこんなことできないですよね.二人の親密さが伝わってきます.同時に,お互いの過去を共有・理解したいという気持ちを持っているのでしょう,切ないです.
弟の夏樹君の写真を見て優しく微笑む小春ちゃんですが,ひよりちゃんが言うようにこの表情を出せる(作れる)ようになるまでにどれほど辛い思いをしたのでしょう.想像するだけで胸が痛くなりますね.
再び,義理の両親それぞれに対する気まずさを共有しあう二人です.小春ちゃんが言うようにすぐに打ち解けるというのは難しいでしょうね.ひよりちゃんはそれを口に出す小春ちゃんを心配していますが,小春ちゃんは空気の読める子なので心配いらないように思えますね.
スローループ内で小春ちゃんの本心を理解できている登場人物は,この時点ではいないことが描写されているように見えます.今後のお楽しみポイントですね.
家族の親睦を深めるために釣りキャンプに両親と恋ちゃん家族で行きます.船の雨水をくみ出す作業すら楽しんでいる小春ちゃん,外遊びの経験が少ないために何事も新鮮なようです.小春ちゃんが笑っていてくれると一番安心しますね.
娘たる恋ちゃんにオールを漕がせる恋ちゃん父です.普通は逆なのですが,漕いであげる恋ちゃんは本当にいい子です(二回目).今回から恋ちゃんも釣り用の装備になっているので,露出度は低いですが,髪の毛を下ろしているので少し新鮮です.ひよりちゃんはほとんど服装に変化がないのですが,小春ちゃんと恋ちゃんは変化が多くて見てて楽しいですね.さすがうちのまいこ先生です.
「幸せだね!」と発言する小春ちゃんですが,「楽しい」ではなく「幸せ」という表現に重力を感じますね.この子にとってこういった経験がどれほどハードルが高い行為だったのかを思い知らされます.
アニメのCMにも採用されたひよりちゃんの名ゼリフです.一話のころと比較すると,過去であるお父さんの思い出を追いかけるための釣りでなく,誰かと今・未来を楽しむための釣りに変わったというとこでしょう.
人間の時間的スケールでは大自然はなかなか変化するようには見えませんが,人間にとってはその中でも新しい出来事は日々ありますよね.3話では「新しい」を不吉な言葉と呼んでいたひよりちゃんの心持が大きく変化しています.
ボート釣りをしていて雨に合ったら,普通は不安になると思うのですが,それすらも楽しめる心の余裕ができていますね.小春ちゃんと二人なら無敵といったところでしょうか.
こういった良い方向の変化をもたらしてくれたのは,小春ちゃんですね.ひよりちゃんは無意識に相手を喜ばせる天然ジゴロではあるのですが,意識してお礼を言うのは恥ずかしいらしいです.みんなそういうものですよね.
小春ちゃんは魚が近づいてくると怖いとのこと.ある意味,これもキャラクターの性格に触れているのかもしれませんね.小春ちゃんは相手にグイグイ行くことはできる性格ですので,これまでもひよりちゃんと恋ちゃんの助けになってきました.グイグイ来られるのが苦手というのは,自分自身の心に相手が入ってくるのに抵抗があるのかもしれません.
5話はこのシーンで終わり,上下編として6話に続きます.ひよりちゃんが小春ちゃんに釣らせようと真剣になっているシーン,とても的確な釣り人描写ですね.釣れそうな魚を見たら瞬時に戦闘モードに入る,それが釣り人の性です.
小春ちゃんはそれにプレッシャーを感じているようですが,釣り人側から言わせてもらうと,そこまでプレッシャーを感じる必要はないですね.確かにその瞬間は真剣になりますし,口数も最小限になるでしょうが,所詮は自然が相手の趣味ですので,釣れなくても気にすることはありません.
ただ,せっかく釣りをやりたいと言ってくれ,付いてきてくれた小春ちゃんに釣ってほしい,釣らせたい(…そして釣り沼にハメたい)というひよりちゃんの気持ちはとてもとてもよくわかりますので,プレッシャーを感じるのも無理はないですね.
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